studiogreen’s diary

ある日に想うヒーラーの言霊(ことだま)

高齢者の日常が心身の健康に及ぼす影響のこと-----koureisyano nitijyo~ga sinsinno kenko~ni oyobosu eikyo~nokoto----- 

 

介護福祉士の養成施設である専門学校に通っていた数年前のこと、【介護の基本 Ⅰ 】の授業の中で教諭から、この国の文化や慣習を学び 高齢者との関わりを考察せよ、と そのレポート提出が課題として出されました。

『むっちゃ難しいなー。』

 

私の祖父母は とうの昔に他界していますし、こりゃ困った。

 

そこで私は、私のクライアントお二人にお願いして、研究対象になっていただきました。

リサーチは主に 聞き取り調査で、生い立ちから その方の価値観や生活習慣から現在の健康状態に至るまで 事細かに記録しました。

 

お二人は、筋肉量は違うものの背格好が同じくらいで お生まれの年代も近く、預金残高も似たり寄ったり 出産経験回数も同様でした。

同じ国に生まれ、激動の昭和から平成という時代を生き抜いてこられた方々で、お二人とも とても気さくに様々なエピソードを話してくれました。

 

A氏は、都会の駅近の戸建て住宅に核家族で居住。

Z氏は、駅から車で約30分の田園風景が広がる郊外に4世代同居。

 

違うところは 生活環境くらいなので お二人のリサーチ結果は そうは違わないだろうって、始めは思っていました。

 

ところが、生活歴を聞いていく内に 日常生活が健康状態に及ぼす影響が かなり大きい事がわかりました。

それぞれの気質的な部分にその違いは顕著で、A氏の一日の心身の活動量はZ氏の半分にも満たず、何かと言葉尻に無気力感がみられました。

かたやZ氏は 朝から畑に行き朝食の食材の野菜を収穫してから 大人数の食事を作り、食後にはお孫さん達を車で駅まで送りに行き、それから寝たきりのお姑さんのお世話をしたり畑仕事やご近所の方と通販で出荷する製品作りをしたり、とにかく息つく暇もない程 忙しい日々を過ごしていました。

A氏は毎日のように病院に出掛け、そこで色々な人に愚痴を話すのが日課とのことでした。

私が着目したのは、身体を動かしているかどうかではなく、精神的繋がりのあるコミュニティが身近にあるかどうかです。

コミュニティが沢山あれば有る程 精神的に負荷がかかるのは想像できます。その負荷をストレスとして重荷に感じるか 情報獲得手段として受け入れるかどうかは人それぞれです。

 

ですが、親身になってコミュニケーション出来る環境にある場合と、そうでない薄っぺらいコミュニケーションしか取りようのない環境にいる場合では、健康状態に大きな差が生まれます。

 

A氏は、このリサーチの数ヵ月後に病気でお亡くなりになりました。

Z氏は 今もお元気にお孫さん達の成長を楽しまれています。

 

親身になって一緒に考えたり調べてくれたりする存在の有無は大切。

健全な日常とは、情報量とその質の違いによってもたらされるのだと思われます。

大病院が近くにあるか無いか、ではなさそうです。

 

情報量や質の違いにより、生死をも左右すると肝に銘じなければなりません。

たとえ業務独占の資格を持つ人に権威を振りかざされても、決して 考えもなく『おまかせします。』なんて言っちゃあダメなんです。

 

 

それは、まるで寸法の合わない服に自ら袖を通し 自由に動けなくなるのと同じです。 

 

https://mobile.twitter.com/Tamama0306/status/1553730862683807744?t=vPNebIqIsJaq4aqxP3eKaA&s=19

  

https://nico.ms/sm39522038